これは実際の店舗の体験談ではなく、導入を検討する方が状況をイメージしやすくするために実話を元に編集した想定シナリオです。
導入前の悩み
私は柴田と申します。五十二歳、地方都市の駅から少し離れた商店街で、小さな定食屋を営んでいます。妻の美智子(五十歳)と二人で店を回しており、忙しい時間帯だけパート従業員の田中さん(六十代女性、近所に住む常連客でもある)に手伝ってもらっています。
店を始めて十五年。常連客の顔と好みの定食まで覚えているくらい、地元に根づいた店をやってきたつもりでした。
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ところが、ここ一、二年で様子が変わってきました。近くに新しくできたホテルの影響もあるのか、外国人のお客様がぽつぽつと来店するようになったのです。
最初は「観光客が来てくれるなんて、うちの店も捨てたものじゃないな」と、正直少し嬉しい気持ちもありました。しかし実際に対応してみると、想像していたよりもずっと難しいことに気づかされました。
ある日の昼時、四人組の外国人観光客が入ってきました。身振り手振りでメニューを指差してもらい、なんとか注文は取れたものの、「これは辛いですか」「ご飯のおかわりは無料ですか」といった質問には全く答えられません。
私が困った顔をしていると、お客様の方も申し訳なさそうな表情になり、その場の空気が気まずくなってしまいました。
結局、田中さんが持っていたスマートフォンの翻訳アプリを使って、なんとかやり過ごしましたが、画面に文字を打ち込んで、翻訳されるのを待って、また打ち込んで、というやり取りに、お客様を五分近く待たせてしまいました。
別の日には、アレルギーについて聞かれているらしいことはわかったのですが、何のアレルギーなのかがどうしても伝わらず、結局「すみません、わかりません」と謝るしかありませんでした。
せっかく来てくれたお客様に申し訳ない気持ちと、自分の店がこの先も外国人のお客様に対応できないままなのではないかという焦りが、じわじわと積もっていきました。
美智子からも「このままだと、いつかちゃんとした対応ができなくて、お客様に嫌な思いをさせてしまうかもしれないね」と言われ、私もそろそろ何か手を打たなければと感じ始めていました。
とはいえ、五十二歳になって今さら英語を勉強する気力もなければ、新しいスタッフを雇う余裕もありません。
「うちみたいな小さな店でも、何かいい方法があるはずだ」。そう思いながら、ある晩、スマートフォンで「外国人対応 飲食店 翻訳」と検索してみたのが、私にとっての最初の一歩でした。
POCKETALKを選んだ理由
検索してみると、外国人対応のための方法はいくつもあることがわかりました。スマートフォンの翻訳アプリ、専用の翻訳機、スタッフ向けの語学研修サービスなど、選択肢は思っていたより多くありました。
最初に試したのは、無料の翻訳アプリでした。田中さんが使っていたのと同じようなアプリを、自分のスマートフォンにも入れてみました。
確かに無料で始められるのは魅力でしたが、実際に接客の場面を想像すると、画面を開いて、マイクのボタンを探して、話しかけて、また画面を見せて、という一連の動作が、忙しい時間帯には現実的ではないと感じました。
お客様を待たせている間、こちらも落ち着かない気持ちになりますし、何より会話のたびにスマートフォンを取り出す姿は、お客様にとっても少し頼りなく見えるのではないかと気になりました。
次に検討したのが、専用の翻訳機でした。いくつかの製品を比較する中で、私が最終的にPOCKETALKに決めた理由は三つあります。
一つ目は、SIMカードが内蔵されていて、店のWi-Fiに接続する手間がいらないという点です。
うちの店はそこまで通信環境が整っているわけではなく、Wi-Fiの設定を自分でできる自信もありませんでした。箱から出してすぐ使えるという説明を見て、これなら自分でも扱えそうだと思いました。
二つ目は、操作がボタン一つで済むという簡単さです。アプリのように画面を何度もタップする必要がなく、話しかけるだけでいいというシンプルさは、機械に強くない私にとって大きな安心材料でした。
三つ目は、すでに導入している店舗が多いという実績です。検索していると、飲食店や宿泊施設での導入事例を紹介している記事がいくつも見つかり、「自分の店だけが特殊なことをするわけではない」という心理的なハードルの低さも、決め手の一つになりました。
価格は決して安い買い物ではありませんでしたが、スタッフ全員が語学を学ぶ時間とコストを考えれば、現実的な投資だと自分を納得させました。
美智子に相談すると、「お父さんが使いこなせるなら、やってみたら」と背中を押してくれました。少し緊張しながらも、注文ボタンを押したのを覚えています。
導入直後のつまずきと工夫
POCKETALKが届いたのは、注文してから数日後のことでした。箱を開けると、説明書を読むまでもなく、画面の表示に従って簡単な初期設定ができました。これだけでも、機械に弱い私にとっては嬉しい驚きでした。
しかし、いざ実際に使い始めると、すぐには思い通りにいかないこともいくつかありました。
最初の壁は、私自身の話し方でした。早口になったり、方言が混ざったりすると、うまく翻訳されないことがあったのです。
「いらっしゃい、お好きな席にどうぞ」と言ったつもりが、機械にはうまく伝わらず、もう一度ゆっくり言い直す場面が何度かありました。
慣れないうちは、まるで自分が機械に話し方を試されているような、少し気恥ずかしい気持ちにもなりました。
二つ目の壁は、店内の雑音でした。お昼時の忙しい時間帯は、厨房の音や他のお客様の話し声で店内が賑やかになります。
そんな中で翻訳機に向かって話すと、うまく聞き取ってもらえないことがありました。
試しに、レジの近くの比較的静かな場所で話しかけるようにしたところ、認識の精度が上がることに気づきました。ちょっとした工夫ですが、これだけでも随分使いやすくなりました。
三つ目は、田中さんの戸惑いでした。田中さんは六十代で、新しい機械の操作に最初は抵抗があったようです。
「ボタンを押すだけでいいんだよね」と何度も確認しながら、最初の一週間は私が隣について一緒に使うようにしました。
一週間ほど経つと、田中さんも自分から進んで翻訳機を手に取るようになり、「思っていたより簡単だった」と笑っていました。
完璧に使いこなせるようになるまでには、思っていたより少し時間がかかりました。
それでも、一つひとつの小さなつまずきを乗り越えるたびに、これなら続けられるという感覚が積み重なっていきました。
スマートフォンの翻訳アプリで悪戦苦闘していた頃と比べると、確実に前に進んでいる実感がありました。
実際に役立った場面
POCKETALKを使い始めて二週間ほど経つと、少しずつではありますが、外国人のお客様への対応に変化が出てきました。
ある日、四人組の中国人観光客のグループが来店しました。以前であれば、メニューを指差してもらうだけで終わっていたはずですが、その日は思い切って翻訳機を使ってみました。
「こちらは豚の生姜焼き定食です。少し甘めの味付けで、ご飯のおかわりは無料です」と話しかけると、画面に中国語の文字が表示され、相手のお客様もスマートフォンの画面を見ながら何か話しかけてくれました。
翻訳機からは「これは辛いですか、子供も食べられますか」という日本語が流れてきました。
子供連れの家族だったことに、その時初めて気づきました。「辛くありません、お子様も安心して食べられます」と答えると、お客様の表情がぱっと明るくなり、四人とも生姜焼き定食を注文してくれました。
別の日には、ベジタリアンらしき外国人のお客様から、メニューを指差しながら何か質問されました。翻訳機を通すと「これは肉や魚を使っていますか」という内容だとわかりました。
うちの定食はほとんどが肉や魚を使っているため、「申し訳ありませんが、こちらは難しいです。野菜中心のものでしたら、こちらの小鉢を多めにしてお作りできます」と伝えると、お客様は安心した様子で、その場で相談しながら注文を決めてくれました。
以前であれば、こうした細かい要望を聞くことすらできず、お断りするしかなかったと思います。
会計の場面でも変化がありました。外国人のお客様から「クレジットカードは使えますか」と聞かれた際、以前はうまく聞き取れず戸惑うことが多かったのですが、翻訳機を使うことで即座に「申し訳ありませんが、現金のみとなっております」と伝えられるようになりました。
お客様も納得した様子で、近くのコンビニで両替してから戻ってきてくれたこともありました。誤解が誤解のままお客様を不快にさせてしまう、という事態が減ったことを実感しました。
こうした一つひとつの場面を重ねるうちに、私自身の気持ちにも変化がありました。
外国人のお客様が入ってきても、以前のような身構える感覚が少しずつ薄れ、「今日はどんな会話ができるだろう」と、むしろ楽しみに感じる瞬間も出てきたのです。
1ヶ月後の変化とまとめ
POCKETALKを導入してから一ヶ月が経ちました。振り返ってみると、お店の雰囲気にも、私自身の気持ちにも、思っていた以上の変化がありました。
一番わかりやすい変化は、外国人のお客様の数が少しずつ増えてきたことです。
最初に来店してくれた中国人観光客の家族連れは、その後も近くのホテルに泊まる際に二度ほど来店してくれました。
「ここのお店は親切だった」と、海外の口コミサイトに書き込んでくれたらしく、それを見て新しく来店してくれたお客様もいたと、後から常連の田中さんが教えてくれました。
客単価という面でも、外国人のお客様は定食に加えて小鉢やデザートを追加で注文してくれることが多く、思っていた以上に売上に貢献してくれていることに気づきました。
スタッフの意識にも変化がありました。田中さんは最初こそ翻訳機の操作に戸惑っていましたが、一ヶ月経った今では、外国人のお客様が来店すると自分から率先して声をかけるようになりました。
「最初は怖かったけど、機械が助けてくれるとわかったら、気持ちが楽になった」と話してくれたのが印象的でした。
妻の美智子も「お父さんが変わったね」と笑いながら言ってくれます。以前は外国人のお客様が入ってくると、どこか身構えていた私自身が、今では自然に「いらっしゃいませ」と声をかけられるようになっていました。
もちろん、すべてが完璧になったわけではありません。
複雑な質問や専門的な内容には今でも苦労することがありますし、翻訳機に頼りすぎず、最低限の英語のあいさつくらいは覚えようかと思い始めているところです。
それでも、言葉の壁という大きな壁の前で立ち止まっていた頃と比べると、今は次の一歩を考えられるようになりました。
似たような悩みを抱えている飲食店や小売店の方にとって、何かのヒントになれば嬉しく思います。
翻訳デバイスの選び方や、それぞれの製品の特徴については、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。


