多言語対応のホームページ制作にかかる費用はいくらか|業者依頼・CMSで自作・無料ツール活用の3パターンを比較

見積もりの金額に、思わず息をのんでしまったことはありませんか

小さな民宿を営むご主人が、思い切って多言語対応のホームページを作ろうと決めました。外国人のお客さんが増えてきたことを肌で感じ、これは今すぐにでも取り組むべきだと、心を奮い立たせての決断でした。

さっそく制作会社に相談し、見積もりを取ってみました。届いた見積書に書かれていた金額は、想像していたよりもはるかに大きなものでした。

ご主人は、思わず息をのみました。これほどの金額を、今の経営状況で用意することは、とてもできそうにありません。

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結局、ご主人は、多言語対応そのものを諦めてしまいました。しかし、本当にそれでよかったのでしょうか。

実は、多言語ホームページの作り方には、業者に依頼する方法以外にも、選択肢がいくつも存在しています。高い費用をかけなければ何もできない、というのは、大きな思い込みです。

業者に依頼する方法、CMSを使って自分で作る方法、そして無料のツールを活用する方法。

多言語ホームページには3つの作り方がある

多言語対応のホームページを作ろうとする時、多くの人がまず思い浮かべるのは、制作会社に依頼するという方法です。しかし、実際には、それ以外にも道は用意されています。

一つ目は、専門の制作会社に依頼する方法です。デザインから翻訳、公開後の運用まで、すべてをお任せできる分、費用は高くなりますが、その分、仕上がりの品質や安心感は大きなものになります。

二つ目は、CMSと呼ばれる仕組みを使って、自分の手でホームページを作る方法です。CMSとは、専門的な知識がなくても、ホームページの中身を管理しやすくする仕組みのことです。

多言語に対応するための追加機能を組み合わせることで、業者に依頼するよりも費用を抑えながら、自分のペースで作り上げていくことができます。

三つ目は、無料のツールを活用する方法です。すでにあるホームページに、翻訳のための小さな仕組みを埋め込むだけで、外国語での表示に対応させることができます。

費用をほとんどかけずに、今すぐ始められるという点が、大きな魅力です。

この3つの中に、正解や不正解というものはありません。大切なのは、自分のお店の予算や、どれだけ手間をかけられるかに合わせて、向いている方法を選ぶことです。

冒頭で紹介したご主人のように、業者への依頼だけを選択肢だと思い込み、諦めてしまうのは、あまりにももったいないことです。

3パターンの費用と特徴を比較する

①業者に依頼する場合の費用

制作会社に多言語ホームページの制作を依頼する場合、費用の幅はかなり大きくなります。

英語ともう一つの言語を加えた、比較的シンプルな多言語サイトであれば、150万円から350万円ほどが目安とされています。

もし英語に加えて2つから3つの言語まで対応させたい場合には、300万円から700万円ほどかかることもあります。

こうした金額を見ると、驚いてしまう人も多いはずです。しかし、この費用には、それだけの理由があります。

プロのデザイナーが見た目を整え、翻訳の専門家が言葉を丁寧に訳し、システムを扱う技術者が、どの言語で見ても正しく表示される仕組みを作り上げてくれます。

さらに、公開した後の運用まで任せられる契約であれば、内容を更新したい時にも、専門の担当者がすぐに対応してくれます。

自分たちで細かい修正作業をする必要がなく、日々の営業に集中しながら、ホームページの管理を安心して任せられることが、業者に依頼する一番の強みです。

もちろん、これだけの金額を用意できる事業者ばかりではありません。しかし、しっかりとした品質のホームページを、手間をかけずに手に入れたいのであれば、業者への依頼は、今も確かな選択肢の一つです。

(情報は2026年7月時点のものです。金額は依頼先や内容によって変わりますので、複数の制作会社から見積もりを取ることをおすすめします。)

②CMSを使って自分で作る場合の費用

CMSとは、ホームページの中身を、専門的なプログラムの知識がなくても管理できるようにしてくれる仕組みのことです。

世界中で最も広く使われているCMSの一つに、WordPressと呼ばれるものがあります。

WordPressを使ってホームページを自分で作る場合、テンプレートと呼ばれる、あらかじめ用意されたデザインの型を使えば、比較的安い費用で作り始めることができます。

フリーランスの制作者に部分的な手伝いを頼んだとしても、30万円から50万円ほどで、一つのホームページを形にできることが多くあります。

ここに、多言語対応のための追加の仕組みを組み合わせていきます。

WordPressには、複数の言語を切り替えられるようにするための専用の追加機能が用意されており、これを組み込むことで、日本語のページに加えて、英語や他の言語のページも作れるようになります。

追加機能自体の費用は、無料のものから、年間数万円程度の有料のものまで、幅広く用意されています。

業者にすべてを任せる場合と比べると、費用は大きく抑えられます。しかし、その分、自分自身で作業を進める時間と手間が必要になります。

デザインの調整や、翻訳した文章の入力など、地道な作業を、コツコツと積み重ねていく覚悟が求められます。

費用を抑えながら、自分のペースで、こだわりを持ってホームページを育てていきたい。そう考える人にとって、CMSを使った自作は、手間はかかっても、大きな可能性を秘めた選択肢になります。

③無料ツールを活用する場合の費用

業者への依頼や、CMSを使った自作に比べて、最も手軽に始められるのが、無料のツールを活用する方法です。

代表的なのが、翻訳ウィジェットと呼ばれる仕組みです。

これは、今すでにあるホームページに、小さなプログラムを一つ埋め込むだけで、訪れた人が自分の使いたい言語を選び、ページ全体を自動で翻訳して表示できるようにする仕組みです。

多くの場合、費用は無料か、かかったとしてもごくわずかで済みます。

新しくホームページを作り直す必要も、専門的な知識も必要ありません。

今あるホームページに、埋め込み用の短いコードを一つ追加するだけで、その日のうちに、多言語対応を始めることができます。

予算がまったくない状態からでも、今すぐ一歩を踏み出せることが、この方法の一番の魅力です。

ただし、良いことばかりではありません。自動翻訳の仕組みは、便利である一方、時折、不自然な言い回しや、意味が正しく伝わらない翻訳を作り出してしまうことがあります。

人の手で丁寧に翻訳した文章に比べると、細やかなニュアンスまでは伝えきれない、という限界があります。

それでも、何も対応していない状態と比べれば、無料ツールを使って多言語表示に対応させておくことには、大きな意味があります。

まずは無料の範囲で始めてみて、余裕が出てきたら、より質の高い方法へと進んでいく。そうした段階を踏んだ進め方も、十分に選択肢の一つです。

費用だけで選んではいけない理由

ここまで3つの方法を見てきましたが、金額だけを見て「一番安いものにしよう」と決めてしまうのは、少し危険な判断です。

無料のツールは、確かに費用がかからず、今すぐ始められるという大きな魅力があります。

しかし、自動で翻訳された文章が、時に不自然な言い回しになってしまうことがあるのは、先ほど伝えた通りです。

例えば、料理の説明文が、意味の通らない言葉になって表示されてしまえば、それを読んだ外国人旅行者は、かえって不安を感じてしまうかもしれません。

安さを優先した結果、伝えたかったはずの魅力が、正しく伝わらなくなってしまっては、本末転倒です。

反対に、費用をかけて業者に依頼したからといって、必ずしもすべてがうまくいくとも限りません。

契約した内容によっては、公開した後の細かい修正に、追加の費用がかかってしまうこともあります。せっかく高い費用を払ったのに、思っていたような自由度がなく、後悔してしまうケースも見られます。

大切なのは、値段の安さや高さではなく、自分のお店にとって、何が本当に必要なのかを見極めることです。

どれくらいの予算をかけられるのか、日々の更新をどれくらいの頻度で行いたいのか、伝えたい情報がどれくらいのボリュームなのか。

こうした自分たちの状況をきちんと整理してから選ぶことこそが、後悔しないための、一番確かな方法です。

どのパターンが自分の店に向いているか

ここまで見てきた3つの方法を、実際にどう選べばいいのか、具体的なケースに当てはめながら整理していきます。

まず、ある程度まとまった予算を用意でき、しっかりと作り込まれたホームページを、手間をかけずに手に入れたいと考えている場合には、業者への依頼が向いています。

旅館やホテルのように、外国人旅行者に向けて、細やかな魅力をきちんと伝えたい場合や、日々の運用まで任せられる安心感を重視したい場合には、初期費用がかかったとしても、業者に依頼する価値が十分にあります。

次に、ある程度の手間や時間をかけることができ、これから長く自分の手でホームページを育てていきたいと考えている場合には、CMSを使った自作が向いています。

飲食店やお土産物店のように、メニューや商品を、少しずつ自分のペースで追加したり、直したりしたい場合には、CMSを使うことで、費用を抑えながら、自分たちの言葉でホームページを育てていくことができます。

そして、今はまだ予算に余裕がなく、まずは小さく一歩を踏み出したいと考えている場合には、無料ツールの活用が向いています。

開業したばかりで先の見通しが立てにくい場合や、まずは外国人旅行者からの反応を見てみたいという場合には、費用をかけずに始められる無料ツールが、最初の一歩として、大きな助けになります。

自分のお店が、今どの状況にあるのかを見つめ直し、それぞれの方法が持つ強みと向き合いながら選んでいくことが、後悔のない多言語対応につながっていきます。

多言語対応は、お金をかけることだけが正解ではありません

冒頭で紹介した民宿のご主人は、見積もりの金額に息をのみ、多言語対応そのものを諦めてしまいました。

しかし、もしその時、業者への依頼以外にも道があることを知っていたら、話はまったく違っていたはずです。

無料ツールを使えば、今日この瞬間からでも、外国人旅行者に向けた一歩を踏み出すことができます。

CMSを使えば、費用を抑えながら、自分の言葉で、少しずつホームページを育てていくこともできます。高い費用を払える事業者だけが、多言語対応を進められるわけではないのです。

大切なのは、諦めてしまう前に、自分たちに合った方法が、必ずどこかにあるはずだと信じることです。予算がないからといって、外国人旅行者に情報を届けることを諦めてしまうのは、あまりにも惜しいことです。

まずは、今の自分のお店にできる、小さな一歩から始めてみてください。無料ツールを埋め込むこと、CMSで簡単なページを一つ作ってみること、そのどちらでも構いません。

その小さな一歩が、これから先、たくさんの外国人旅行者に、あなたのお店の魅力を届けるための、確かな始まりになります。

この記事を書いた人

旅行、観光、IT・Webマーケティングの仕事に25年ほど携わってきた40代。現在はインバウンド対応に悩む店舗・宿泊施設の方々に向けて、実際に使えるツールや方法をまとめています。導入コストや使い勝手を含めて丁寧に検証することを心がけています。