口コミへの返信をしないことで起きる集客への影響|無返信が外国人旅行者に与える印象と対策

返信のない口コミ欄が、実は多くのお客さんを遠ざけているとしたら

ある調査によると、ホテルや飲食店を予約する前に、旅行者は平均して9件もの口コミに目を通しているといいます。

さらに、口コミがまったく載っていない宿泊施設には、半数を超える人が予約すらしないと答えています。

この数字を見ただけでも、口コミというものが、旅行者の行動にどれほど大きな影響を与えているかが伝わってきます。

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しかし、多くの店舗が見落としていることがあります。それは、口コミの「中身」だけでなく、その口コミに「返信しているかどうか」までもが、旅行者の判断材料になっているという事実です。

せっかく良い口コミが書き込まれていても、そこに一言の返信もないままだと、それを見た次の旅行者は、無意識のうちに、そのお店への印象を少しずつ下げてしまいます。

特に、個人で旅行の計画を立てる外国人観光客は、団体ツアーとは違い、すべての行き先を自分で選びます。

だからこそ、口コミという情報を、真剣に読み込んでいます。その真剣な視線の先に、返信のないまま放置された口コミ欄があったとしたら、それは、静かに、しかし確実に、お客さんを遠ざけてしまっているのです。

外国人旅行者はどれくらい口コミを見て行き先を決めているのか

観光庁が発表している調査によると、訪日外国人のおよそ84パーセントが、個人で飛行機やホテルを手配して旅行しているとされています。

団体ツアーのように、あらかじめ行き先が決められている旅行とは違い、個人で手配する旅行では、どこに泊まるか、どこで食事をするか、そのすべてを、自分自身で選ばなければなりません。

このような個人旅行をする人たちにとって、口コミは、行き先を決めるための、欠かせない判断材料になっています。ある調査では、宿泊先や食事の場所を選ぶ時に口コミを確認すると答えた人が、72パーセントにのぼりました。宿泊施設の予約に限ってみると、その割合はさらに高くなり、81パーセントもの人が、口コミを見てから予約を決めていると答えています。

初めて訪れる土地で、頼れる情報がほとんどない外国人旅行者にとって、口コミは、実際にその場所を体験した人の、生の声です。

広告やお店側の説明よりも、同じ旅行者の言葉の方が、信頼できると感じる人が多いのも、うなずけることです。

これほどまでに多くの旅行者が、口コミを頼りに行き先を決めているという現実を知ると、その口コミにどう向き合うかが、集客にとって、どれほど大きな意味を持つかが見えてきます。

口コミに返信しないことで起きる具体的な影響

①「見てもらえていない店」という印象を与えてしまう

口コミサイトを開いて、いくつもの口コミがずらりと並んでいるのに、そのどれにも返信がついていない。そんな光景を目にした時、旅行者の心には、ある種の違和感が生まれます。

たくさんのお客さんが訪れ、感想を残しているのに、お店側からの反応が一切ない。

この状態を見た旅行者は、「このお店は、お客さんの声にあまり関心がないのかもしれない」と感じてしまいます。

返信がないという事実そのものが、まるでお店の姿勢を映し出す鏡のように、旅行者の目に映ってしまうのです。

これは、実際にそのお店が悪い対応をしているかどうかとは、まったく別の話です。

どれほど真心を込めて日々の接客をしていたとしても、口コミへの返信という、目に見える形での反応がなければ、その真心は、これから訪れようとしている新しい旅行者には伝わりません。

そして、いったんこの印象を持たれてしまうと、口コミの内容そのものが良いものであっても、「この店は、お客さんとの対話を大切にしていないのかもしれない」という不安が、旅行者の心に、うっすらと残り続けてしまいます。

この見えない印象の積み重ねが、実際の来店を決める、最後の一押しを鈍らせてしまうのです。

②厳しい口コミがそのまま放置されて見える

どれほど心を込めて営業していても、時には、厳しい内容の口コミが書き込まれてしまうことがあります。

これは、どんなお店にも起こり得ることです。しかし、本当に恐ろしいのは、厳しい口コミそのものではなく、その口コミに、何の返信もないまま放置されてしまうことです。

厳しい口コミに返信がなければ、それを読んだ次の旅行者は、書かれている内容を、そのまま事実として受け止めてしまいます。

お店側に、何か特別な事情があったのかもしれない、その後改善されたのかもしれない、そうした背景を知る手がかりが、どこにもないからです。

結果として、たった一つの厳しい口コミが、何の反論もされないまま、いつまでもそのお店の評価として、独り歩きし続けてしまいます。

反対に、厳しい口コミに対して、誠実な返信がついていれば、状況はまったく変わります。

「ご不便をおかけして申し訳ございませんでした。いただいたご意見をもとに、改善いたしました」といった返信があるだけで、これから訪れようとしている旅行者は、「何かあっても、きちんと向き合ってくれるお店なのだ」と感じることができます。

厳しい口コミは、お店にとって都合の悪いものに見えるかもしれません。しかし、そこに丁寧に向き合う姿勢を見せることこそが、かえって信頼を築くための、大きなチャンスになるのです。

③良い口コミへの感謝すら伝わらず、機会を失っている

口コミへの返信というと、多くの人は、厳しい口コミへの対応ばかりを思い浮かべるかもしれません。しかし、実は、良い口コミにこそ、返信をする大きな価値が隠れています。

お客さんが、時間を割いて書いてくれた、温かい感想の数々。そこには、お店への感謝や、また訪れたいという気持ちが込められています。

しかし、その言葉に対して、お店側から何の反応もなければ、そのお客さんの気持ちは、宙に浮いたままになってしまいます。

せっかく好意的な言葉を残してくれたお客さんに対して、感謝の気持ちを伝える機会を、みすみす逃してしまっているのです。

さらに、良い口コミへの返信は、そのお客さん一人のためだけではありません。これから同じ口コミを読む、たくさんの旅行者に向けたメッセージでもあります。

「ご来店いただきありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」という、たった一言の返信があるだけで、そのやり取りを見た次の旅行者は、「このお店は、お客さんとの関係を大切にしている」と感じ取ります。

良い口コミに返信することは、決して義務的な作業ではありません。お客さんへの感謝を伝えると同時に、これから訪れるかもしれない、まだ見ぬお客さんの心をも動かす、大きな機会なのです。

返信することで得られる効果

ここまで見てきたように、口コミへの返信をしないことは、さまざまな形で、お店の印象を損ねてしまいます。

裏を返せば、返信をきちんと行うことは、それだけ多くの効果を生み出す、大きな力を持っているということです。

まず一つ目の効果は、これから訪れようとしている旅行者への、安心材料になるということです。

良い口コミにも、厳しい口コミにも、丁寧な返信がついているお店を見ると、旅行者は、「ここは、お客さんの声にしっかりと向き合っているお店だ」と感じます。

この安心感は、初めて訪れる土地で、慎重に行き先を選んでいる旅行者にとって、大きな後押しになります。

二つ目の効果は、返信の積み重ねそのものが、お店の姿勢を伝える手段になるということです。

一つひとつの返信は、短い言葉であっても、それが何十件、何百件と積み重なっていくことで、「このお店は、いつもきちんと対応してくれる」という、確かな信頼につながっていきます。

これは、一朝一夕には作れない、時間をかけて積み上げていく、大切な財産です。

返信をするという行為は、決して特別なことでも、難しいことでもありません。

しかし、その小さな積み重ねが、目の前のお客さん一人だけでなく、これから訪れる、数えきれないほど多くの旅行者の判断に、静かに、しかし確実に、影響を与え続けています。

今日から始められる、無理のない返信の習慣

口コミへの返信の大切さがわかっても、日々の営業に追われる中で、すべての口コミに、長く丁寧な文章を返す時間を確保するのは、簡単なことではありません。

しかし、返信は、完璧な文章である必要はまったくありません。

良い口コミに対しては、「ご来店ありがとうございました」「またお待ちしております」といった、短い一言だけでも、十分に気持ちは伝わります。

厳しい口コミに対しても、長い言い訳を並べる必要はなく、「ご不便をおかけし申し訳ございませんでした。

いただいたご意見を今後に生かします」という、簡潔な言葉で構いません。大切なのは、文章の長さではなく、返信そのものがあるかどうかです。

続けていくための工夫として効果的なのが、決まったタイミングを作ることです。毎日でなくても構いません。

例えば、週に一度、決まった曜日に、口コミサイトを開いて、まとめて返信する時間を作っておくと、忙しさに流されて後回しにしてしまうことを防げます。

また、日本語だけでなく、英語やその他の言語で書かれた口コミにも、同じように目を向けることを忘れないでください。

言葉の違いを理由に、外国語の口コミだけを見落としてしまうと、外国人旅行者に対してだけ、返信のない状態が続いてしまいます。

短くても構わないので、気づいた時に、その言語、あるいは翻訳ツールを使ってでも、返信をする習慣を持つことが大切です。

口コミへの一言が、まだ見ぬお客さんとの出会いをつくります

平均して9件もの口コミに目を通し、口コミのない宿泊施設には予約すらしない人が半数を超える。

この数字を思い出してみてください。それほどまでに、旅行者は、口コミという、目に見える情報を頼りに、行き先を選んでいます。

だからこそ、口コミへの返信は、単なる作業ではありません。それは、まだ出会っていない、これから旅行を計画しているたくさんの人たちに向けた、静かなメッセージです。

良い口コミへの感謝の言葉、厳しい口コミへの誠実な向き合い方、そのすべてが、口コミサイトというページの中で、次の旅行者の目に触れ続けています。

返信を書くのに、特別な才能も、長い文章も必要ありません。今日、たった一言でいいのです。

感謝の気持ちを込めた一言、誠実さを込めた一言、その積み重ねが、これから先、何人もの旅行者の背中を、そっと押していく力になります。

返信のない口コミ欄を、そのままにしておくのは、あまりにももったいないことです。

今すぐ、口コミサイトを開いて、まだ返信していない声に、一つずつ向き合ってみてください。その一言一言が、まだ見ぬお客さんとの、新しい出会いをつくっていきます。

この記事を書いた人

旅行、観光、IT・Webマーケティングの仕事に25年ほど携わってきた40代。現在はインバウンド対応に悩む店舗・宿泊施設の方々に向けて、実際に使えるツールや方法をまとめています。導入コストや使い勝手を含めて丁寧に検証することを心がけています。