栃木県[下野・しもつけ]には、日光の社寺という世界遺産、那須高原や中禅寺湖、華厳の滝といった雄大な自然、そして足利学校やあしかがフラワーパーク、益子焼といった歴史と文化が、1つの県の中にぎゅっとつまっています

栃木県ってどんなところ?基本情報とインバウンドから見た魅力

栃木県と聞いて、何を思い浮かべますか。日光の美しい神社、那須高原の広い空気、鬼怒川のあたたかい温泉。

栃木県には、日本人だけでなく世界中の人たちを引きつける力が、たくさんつまっています。

栃木県は関東地方の北の方にあります。東京から新幹線や電車で1時間半から2時間ほどで行ける場所です。この「近さ」が、実はとても大きな武器なんです。

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東京に来た外国人観光客が「もう少し足をのばしてみよう」と思ったとき、栃木県はいちばん行きやすい場所の1つになれるからです。

栃木県が今、どれくらい注目されているか、数字で見てみましょう。

2024年に栃木県を訪れた観光客の数は、なんと8,997万人でした。これは前の年よりも7.3%も増えています。

その中で、外国人の宿泊数は27万9千人。前の年と比べて18.7%も増えました。これはとても大きな伸びです。栃木県が、外国人観光客にとってどんどん魅力的な場所になっている証拠だと言えます。

栃木県を訪れる外国人観光客の中で多いのは、台湾やタイ、ベトナムなど、アジアの国から来る人たちです。

アジアの国から来る人たちにとって、日本の四季や、神社やお寺の景色、そして温泉という日本ならではの文化は、とても魅力的に感じられるようです。

ただし、ここで大切なことをお伝えしなければなりません。栃木県は観光客の数は多いのに、1人あたりが使うお金は、実はそれほど多くないというデータもあります。

これは、栃木県で商売をしている皆さんにとって、とても大きなチャンスが眠っているということです。

「来てくれる人はたくさんいるのに、まだお金を使ってもらいきれていない」ということは、裏を返せば、ちょっとした工夫やサービスの改善で、売上をぐんと伸ばせる余地があるということなんです。

私は、この栃木県の可能性に、本当にわくわくしています。日光東照宮という世界に誇れる世界遺産があり、那須高原という雄大な自然があり、鬼怒川という歴史ある温泉地がある。

これほど多くの魅力が1つの県に集まっている場所は、そう多くありません。あとは、その魅力を、外国から来るお客さまにきちんと届ける工夫をするだけです。

日光の社寺(世界遺産)

栃木県には、日本が世界にほこる宝物があります。それが「日光の社寺」です。

1999年に世界遺産として登録されたこの場所は、日光東照宮、輪王寺、二荒山神社という3つの建物のまとまりと、そのまわりの美しい景色から成り立っています。

これらは「二社一寺」と呼ばれ、まさに日光観光の中心となっています。

この場所がすごいのは、ただ古い建物が並んでいるだけではないということです。

神様をまつる神道と、仏様をまつる仏教が、長い年月をかけて1つに混ざり合ってできた、日本独自の信仰の形がそのまま残っているのです。

103もの建物が集まり、そのまわりの山や森までもが、まるごと世界遺産として認められています。これほど大きなスケールで信仰の歴史を感じられる場所は、世界を見わたしても、そう多くはありません。

外国人観光客がここに来て感じるのは、日本の歴史の重みと、細かいところまで手を抜かない職人の技です。

金色にかがやく建物、細かくほられた動物や植物のもよう、静かに立ち並ぶ杉の木。写真を1枚とるだけで、日本という国の奥深さが伝わってきます。

日光東照宮 にっこうとうしょうぐう

日光東照宮は、江戸時代に日本を治めていた徳川家康を神様としてまつるために建てられました。

「見ざる 言わざる 聞かざる」で有名な三猿の彫刻があるのも、この日光東照宮です。豪華で細かい彫刻がびっしりとほどこされた建物は、見る人を圧倒する迫力があります。

外国人観光客からとても人気が高く、栃木県の観光スポットの中でも、最も多くの外国語の口コミが集まっている場所です。

金色の装飾、動物の彫刻、そして眠り猫と呼ばれる有名な彫刻など、写真を撮りたくなる場所がたくさんあります。SNSで発信したくなるような美しさが、日光東照宮の大きな強みだと言えます。

輪王寺 りんのうじ

輪王寺は、日光東照宮よりもさらに古い歴史を持つお寺です。奈良時代の766年に建てられたと伝えられており、1200年以上の歴史があります。

日光山を開いた勝道上人という僧が建てた「四本龍寺」が、輪王寺のはじまりです。

輪王寺の本堂である三仏堂には、3つの山の神様に対応する仏様がまつられています。

また、江戸幕府の3代目の将軍である徳川家光をまつる大猷院という建物もあり、国宝に指定されています。歴史の長さと、建物の格式の高さが、輪王寺の大きな見どころです。

二荒山神社 ふたらさんじんじゃ

二荒山神社は、日光山の信仰の始まりとなった、とても古い神社です。男体山という山そのものを神様としてまつっており、山岳信仰の中心地として、昔から多くの人にうやまわれてきました。

二荒山神社の見どころの1つが、良い縁を引き寄せるといわれるパワースポットです。縁結びのご利益があるとして、日本人だけでなく外国人観光客からも人気を集めています。

また、日光山内の入り口にかかる朱色の美しい橋「神橋」も、この二荒山神社が持つ建物です。この橋は、世界遺産「日光の社寺」の玄関口として、多くの観光客をむかえ入れています。

那須・塩原・鬼怒川エリアの自然と温泉

栃木県の北の方には、雄大な自然と、体をゆっくり休められる温泉地が、たくさん広がっています。この章では、その代表的な場所を、ひとつひとつご紹介します。

那須高原 なすこうげん

那須高原は、栃木県の北にある、広い空と緑にかこまれた高原です。標高が高いため、夏でもすずしく、多くの人がひすいちを求めてやってきます。

牧場や遊園地、美術館などもあり、家族で楽しめる場所としても人気があります。自然の中でのんびり過ごしたいという外国人観光客にとって、都会の喧騒を忘れられる、とても魅力的な場所です。

湯西川温泉 ゆにしがわおんせん

湯西川温泉は、山にかこまれた静かな温泉地です。ここには、平家の落人が隠れ住んだという伝説が残っています。

平家の里という施設では、そうした歴史を今でも見て学ぶことができます。冬には、雪の中にろうそくを灯す幻想的なお祭りも開かれ、日本ならではの静けさと美しさを味わえる場所です。

川治温泉 かわじおんせん

川治温泉は、鬼怒川の上流にある温泉地で、渓谷の景色を楽しみながら湯につかれることで知られています。

川のせせらぎを聞きながら入る露天風呂は、日本の温泉文化を体感するのにぴったりの場所です。近くには龍王峡もあり、温泉と自然の両方を1日で楽しめる立地の良さも魅力です。

龍王峡 りゅうおうきょう

龍王峡は、鬼怒川温泉と川治温泉の間に広がる、約3キロメートル続く渓谷です。

今から約2,200万年前の海底火山の働きによってできた岩が、長い年月をかけてけずられ、今の美しい景色を作り出しました。

岩の種類によって紫龍峡、青龍峡、白龍峡という3つの区間に分かれており、それぞれ違った色合いの岩を楽しめます。

落差約20メートルの虹見の滝や、龍神をまつる神社もあり、歩いて自然を体感できる遊歩道が整備されています。

中禅寺湖 ちゅうぜんじこ

中禅寺湖は、男体山のふもとに広がる、日本でも有名な高地の湖です。標高が高い場所にあるため、夏でもすずしく、周りの山々が湖にうつる景色は、息をのむ美しさです。

ボートに乗ったり、湖のまわりを散歩したりと、ゆったりとした時間を過ごせる場所として、多くの観光客に愛されています。

華厳の滝 けごんのたき

華厳の滝は、中禅寺湖から流れ出た水が、高さ97メートルの岸壁を一気に流れ落ちる、とても迫力のある滝です。

和歌山県の那智の滝、茨城県の袋田の滝と合わせて、日本三名瀑の1つに数えられています。

エレベーターに乗って滝つぼの近くまで降りられる観瀑台があり、間近で見る水しぶきの迫力は圧巻です。

季節によって表情を変え、春の新緑、夏のイワツバメ、冬には滝全体が氷におおわれるという幻想的な姿も見せてくれます。

戦場ヶ原 せんじょうがはら

戦場ヶ原は、標高約1,400メートルの高地に広がる、約400ヘクタールもの広大な湿原です。もともとは湖だった場所が、長い年月をかけて湿原へと変わっていきました。

この名前は、男体山の神様と赤城山の神様が争ったという神話から付けられています。

350種類以上の植物や、たくさんの野鳥が生息する自然の宝庫で、整備されたハイキングコースを歩きながら、四季折々の景色を楽しむことができます。

国立公園

これまで紹介してきた中禅寺湖や華厳の滝、戦場ヶ原は、すべて日光国立公園という、国が指定した大きな自然公園の中にあります。

日光国立公園は、山や湖、滝、湿原など、変化に富んだ自然の景色が1つの場所に集まっている、とても貴重なエリアです。

日本の豊かな自然をまとめて体感したいという外国人観光客にとって、この国立公園そのものが、大きな観光資源になっています。

歴史と文化を体験できるスポット

栃木県の魅力は、自然や神社仏閣だけではありません。日本の学びの歴史や、地元に根づいた工芸文化にも、外国人観光客の心をつかむ力があります。

足利学校 あしかががっこう

足利学校は、栃木県足利市にある、日本でいちばん古い学校です。

平安時代のはじめ、または鎌倉時代に作られたと伝えられており、室町時代から戦国時代にかけては、関東で最も高いレベルの学問の場として知られていました。

当時は「坂東の大学」と呼ばれ、儒学を中心に、易学や兵学、医学までもが教えられていたそうです。

1868年まで学校として続き、その後1915年には図書館となりました。日本の教育の原点とも言える場所を、実際に歩いて見学できるというのは、とても貴重な体験です。

学びに関心がある外国人観光客に、日本の教育の歴史を伝えるのにぴったりのスポットだと言えます。

あしかがフラワーパーク

あしかがフラワーパークは、足利学校からもほど近い場所にある、花の楽園です。

もともとは1920年代に個人の庭に植えられた1本の藤の木からはじまり、1996年には、日本で初めて女性の樹木医として活躍した塚本こなみさんの手によって、大きな藤の木が今の場所に移植されました。

春には、樹齢160年をこえる大藤が、畳600枚分もの広さに咲きほこります。長さ80メートルにもおよぶ白い藤のトンネルも、息をのむ美しさです。

秋から冬にかけては、夜のイルミネーションも大人気で、1年を通して何度訪れても違う景色を楽しめる場所になっています。

花や光の美しさは、言葉が通じなくても、誰の心にもまっすぐ届きます。SNSで発信したくなる写真映えするスポットとして、外国人観光客にも大きな人気を集めています。

強飯式 ごうはんしき

強飯式は、日光山だけに伝わる、とてもめずらしい儀式です。奈良時代、日光を開いた勝道上人の時代までさかのぼる、長い歴史を持っています。

もともとは、山で修行をする行者たちが、山の中の仏様にお供えしたご飯を持ち帰り、里の人たちに分けあたえたことがはじまりだと言われています。

この儀式でいちばんの見どころは、山伏の姿をした僧侶が、正装をした人に向かって、三升もの山盛りのご飯を「75杯、残さず食べなさい」と力強くせまる場面です。

お堂の明かりがすべて消され、たった1本のろうそくだけがともる中で行われる儀式は、神秘的な雰囲気に包まれています。日本の宗教文化の奥深さを、体全体で感じられる、貴重な体験だと言えます。

益子焼 ましこやき

益子焼は、栃木県益子町を中心に作られている焼き物です。江戸時代の終わり、1853年に、茨城県の笠間で技術を学んだ大塚啓三郎という人が、益子で良い土を見つけたことから、その歴史がはじまりました。

大正時代になると、後に人間国宝となる濱田庄司という陶芸家が益子に移り住み、生活の中で使う道具としての焼き物の美しさを世に広めました。

これがきっかけとなり、益子は「民芸の町」として全国に知られるようになります。今では250もの窯元が集まる、焼き物の一大産地です。

厚みがあり、ぽってりとした温かみのある形が特徴で、独自のうわぐすりを使った、素朴で力強い質感が魅力です。

春と秋に開かれる陶器市には、多くの人が訪れます。実際に自分の手で作る体験ができる窯元も多く、旅の思い出として、自分だけの器を持ち帰れるという楽しみ方も、外国人観光客にとって大きな魅力になっています。

栃木県を訪れる外国人観光客の国籍・傾向

栃木県を訪れる外国人観光客が、今どれくらい増えているか、具体的な数字をお伝えします。2025年、栃木県の外国人宿泊数は約32万人となり、これは過去最高の数字です。

前の年から17.4%も増え、2年連続で記録をぬりかえました。円安が追い風となり、栃木県のインバウンド需要は、今まさに大きく伸びている真っ最中なのです。

自治体別に見ると、日光市が18万3千人と、全体の55.9%をしめています。日光の社寺や中禅寺湖、華厳の滝といった観光資源の強さが、この数字にはっきりとあらわれています。

では、どこの国から来る人が多いのでしょうか。国や地域別に見ると、いちばん多いのは台湾で、約5万人です。その次に中国、そして韓国と続きます。

栃木県は、全国的な傾向と似た形になっていますが、台湾やアメリカ、タイからの観光客の割合が、全国平均よりも少し多いという特徴があります。

台湾やタイからの観光客にとって、日本の四季がある景色や、神社仏閣の落ちついた雰囲気、そして温泉という文化は、とても新鮮でありがたいものに感じられます。

特に台湾は、日本への旅行に慣れているリピーターが多く、東京だけでなく、少し足をのばした場所を求める傾向が強い国です。

栃木県の「東京から近いのに、自然も歴史も温泉も楽しめる」という立地は、こうしたニーズにぴったり合っています。

もう1つ、栃木県のインバウンドを語るうえで欠かせない話題があります。それが、中禅寺湖のほとりに建つ「ザ・リッツ・カールトン日光」です。

2020年に開業したこの高級ホテルは、栃木県で初めての外資系ラグジュアリーホテルとして、大きな注目を集めました。温泉付きの大浴場を持つリッツ・カールトンは、世界でもここが初めての試みです。

座禅体験やサイクリング、星空観察など、その土地でしか味わえない本物の体験を提供する取り組みが行われており、こうした高級路線の宿泊施設ができたことも、富裕層の外国人観光客を呼びこむ大きな力になっています。

これらのデータからわかることは、栃木県のインバウンドは、アジアの国々からのリピーター層と、これから増えていく富裕層という、2つの異なるお客さまの流れがあるということです。

それぞれのお客さまが何を求めているかを知ることは、事業者の皆さまが受け入れの工夫をする上で、とても大切な手がかりになります。

事業者が知っておきたい栃木県特有の受け入れポイント

ここまで、栃木県の観光地や、外国人観光客の傾向についてお伝えしてきました。ここからは、皆さまのお店や施設で、実際にどんな受け入れの工夫ができるのかを、具体的にお話しします。

まず大切なのは、栃木県を訪れる外国人観光客の多くが、台湾やタイ、中国、韓国といったアジアの国から来ているということです。

英語だけを用意すれば十分だと考えてしまいがちですが、実は繁体字や簡体字のメニュー、簡単な中国語や韓国語のあいさつを用意するだけで、お客さまの安心感は大きく変わります。

すべてを完璧に翻訳する必要はありません。まずはメニューの写真を増やす、指差しで注文できる表を用意するといった、小さな工夫からで十分です。

次に意識したいのが、日光エリアと那須・鬼怒川エリアでは、訪れるお客さまの層が少し違うということです。

日光には、リッツ・カールトンのような高級ホテルに泊まる富裕層のお客さまも増えています。

こうしたお客さまは、値段よりも「その土地でしか味わえない本物の体験」を求める傾向があります。

座禅体験や、地元の職人と話せる時間など、少し特別な体験を用意できると、栃木県ならではの強みになります。

一方で、那須高原や鬼怒川温泉には、家族連れやリピーターのお客さまも多く訪れます。このお客さまには、安心感やわかりやすさ、そして温かい接客が何より重要になります。

もう1つ、栃木県ならではの受け入れポイントがあります。それは、日光の社寺や華厳の滝、あしかがフラワーパークといった、写真映えするスポットが非常に多いということです。

外国人観光客は、旅の思い出をSNSで発信することをとても大切にしています。

お店の中に写真を撮りたくなるコーナーを作ったり、益子焼のようなお土産を、その場で手に取って見られるように並べたりするだけで、お客さまの満足度は大きく変わります。

そして最後にお伝えしたいのが、キャッシュレス決済への対応です。台湾や中国から来るお客さまの中には、現金をあまり持ち歩かず、スマートフォンでの支払いを好む方がたくさんいます。

小さなお店であっても、少しずつキャッシュレス決済を取り入れていくことが、これからの栃木県のインバウンド対応には欠かせません。

栃木県は、東京から近いという立地の良さと、世界遺産や国立公園という自然や文化の豊かさを、同時に持っている、とても恵まれた場所です。

あとは、その魅力を、実際に訪れるお客さま1人ひとりに、どう届けるかという工夫の積み重ねが、これからの鍵になっていきます。

栃木県の観光地で使える補助金・支援制度

インバウンド対応を進めたくても、多言語対応やキャッシュレス決済の導入には、どうしてもお金がかかります。

ここでは、栃木県の事業者が活用できる、代表的な補助金や支援制度をご紹介します。

なお、補助金の内容や金額は毎年見直されるため、実際に申請する際は、必ず最新の情報を公式の窓口で確認してください。

FUN! FAN! TOCHIGI受入環境整備事業費補助金

これは、栃木県が独自に用意している補助制度です。

インバウンドをはじめとした観光客が、文化や環境の違いにとまどうことなく、快適に観光を楽しめる(FUN)ように、そしてまた来たいと思ってもらえる(FAN)ように、受け入れの環境を整えるための費用を支援する制度です。

これまでの実施例では、多言語対応の案内表示や、外国人観光客が快適に過ごせる設備の整備などが対象になってきました。

募集の期間や予算には限りがあり、予算に達した時点で受付が終わってしまうこともあるため、興味のある方は、栃木県の観光交流課に早めに問い合わせることをおすすめします(2026年7月時点の情報のため、内容は変わる可能性があります)。

小規模事業者持続化補助金

これは国が用意している補助金で、栃木県内の小規模なお店や事業者も広く利用できます。

商工会や商工会議所と一緒に経営計画を作り、その計画に沿った販路開拓や、業務の効率化に必要な費用の一部を支援してもらえる制度です。

2026年度の制度では、一般型の補助上限は基本50万円です。

インボイス特例を使うと50万円が上乗せされ、賃金を引き上げる特例を使うとさらに150万円が上乗せされ、両方合わせると最大250万円まで支援を受けられます。

補助率は3分の2で、赤字の事業者が賃金引上げ特例を使う場合は4分の3になります。

多言語対応のホームページ作成や、外国語のパンフレット制作、キャッシュレス決済の導入費用なども、対象経費として認められることがあります(2026年7月時点の情報のため、金額や条件は変わる可能性があります)。

相談窓口の活用も大切です

補助金は、種類も条件もとても複雑です。「うちのお店は対象になるのか」「どの補助金が合っているのか」を判断するのは、なかなか大変な作業です。

そんなときは、無料で相談できる商工会や商工会議所、そして中小企業庁が認定する「よろず支援拠点」を頼るのがおすすめです。専門家が、書類の作り方から相談に乗ってくれます。

栃木県には、世界遺産や国立公園という、他の地域にはない大きな観光資源があります。

あとは、こうした補助金や支援制度をうまく活用しながら、1つ1つの事業者が、外国人観光客を迎える準備を整えていくことが、これからの栃木県の観光をさらに大きく育てていく力になります。

栃木県の事業者がインバウンド対応で目指すべきこと

栃木県には、日光の社寺という世界遺産、那須高原や中禅寺湖、華厳の滝といった雄大な自然、そして足利学校やあしかがフラワーパーク、益子焼といった歴史と文化が、1つの県の中にぎゅっとつまっています。

東京から近いという立地の良さも合わさって、外国人観光客にとって、これほど多くの魅力が集まっている場所は、そう多くありません。

数字が示す通り、栃木県の外国人宿泊数は過去最高を更新し続けており、台湾を中心としたアジアからのリピーター層と、リッツ・カールトンに代表される富裕層という、2つの異なるお客さまの流れが生まれています。

この動きは、これからも続いていくと考えられます。

大切なのは、それぞれのお客さまが何を求めているかを理解し、多言語対応やキャッシュレス決済といった小さな工夫を、1つずつ積み重ねていくことです。

そして、FUN! FAN! TOCHIGI受入環境整備事業や小規模事業者持続化補助金といった支援制度をうまく活用すれば、費用の負担を抑えながら、その準備を進めることができます。

栃木県が持つ豊かな観光資源と、事業者1人ひとりの丁寧な受け入れの工夫が合わさったとき、栃木県はさらに多くの外国人観光客に選ばれる場所になっていくはずです。

この記事を書いた人

旅行、観光、IT・Webマーケティングの仕事に25年ほど携わってきた40代。現在はインバウンド対応に悩む店舗・宿泊施設の方々に向けて、実際に使えるツールや方法をまとめています。導入コストや使い勝手を含めて丁寧に検証することを心がけています。