素敵な写真を投稿しているのに、外国人のお客さんに届いていないと感じませんか
小さなカフェを営むオーナーは、毎日欠かさず、こだわりの一杯や、店内の雰囲気が伝わる写真を、Instagramに投稿し続けていました。
写真の腕には自信があり、投稿するたびに、多くの日本人のお客さんから「いいね」がつきました。
しかし、ふと気づいたことがありました。あれほど多くの外国人旅行者が街を歩いているのに、自分のアカウントには、外国からの反応が、ほとんど見当たらないのです。
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写真の出来は決して悪くないはずなのに、なぜ届かないのだろう。オーナーは、そのもどかしさを、ずっと抱え続けていました。
実は、その理由の一つが、アカウントの設定そのものにありました。
個人アカウントのままで発信を続けていると、問い合わせのボタンが表示されなかったり、どんな人がどこの国から自分の投稿を見てくれているのか、分析することができなかったりします。
せっかく良い写真を撮っていても、それを最大限に活かせる仕組みが、整っていなかったのです。
外国人旅行者に届く発信をしたいのであれば、まずアカウントそのものを、ビジネスアカウントとして整えることから始めなければなりません。その設定の手順を、一つずつ丁寧に見ていきます。
なぜビジネスアカウントに変えることが最初の一歩になるのか
普段、友人や家族とのやり取りのために使っている個人アカウントと、お店の発信のために使うビジネスアカウントとでは、できることに大きな違いがあります。
まず大きいのが、問い合わせのための連絡先を、プロフィールに表示できるようになることです。
電話番号やメールアドレスを設定しておけば、投稿を見た外国人旅行者が、「気になったから連絡してみよう」と思った時、すぐにお店に問い合わせることができます。
個人アカウントのままでは、こうした連絡先を表示する機能がなく、興味を持ってくれたお客さんを、みすみす取り逃がしてしまうことになります。
さらに大きな違いが、発信の分析ができるようになることです。
ビジネスアカウントに切り替えると、投稿がどれくらいの人に見られたか、どの地域や、どんな年齢層の人が反応してくれているかといった、詳しいデータを確認できるようになります。
これまで、なんとなくの手ごたえだけで投稿を続けてきたオーナーにとって、こうしたデータは、「どんな投稿が、どんなお客さんに届いているのか」を、はっきりと知るための、大きな手がかりになります。
個人アカウントのままでも、写真を投稿すること自体はできます。
しかし、外国人旅行者に、しっかりと情報を届け、興味を持ってもらった人を、実際の来店へとつなげていくためには、ビジネスアカウントへの切り替えが、欠かせない土台になります。
Instagramのビジネスアカウントを設定する手順
①アカウントを非公開から公開に切り替える
ビジネスアカウントへの切り替えを始める前に、まず確認しておきたいことがあります。それは、自分のアカウントが、非公開の状態になっていないかどうかです。
非公開アカウントとは、投稿を見るために、フォローの許可が必要になる設定のことです。
友人や知り合いだけとやり取りするための個人アカウントでは、この非公開設定を使っている人も多いかもしれません。
しかし、ビジネスアカウントは、多くの人に見てもらうことを目的とした仕組みのため、非公開のままでは切り替えることができません。
設定画面の中にある、プライバシー設定の項目を開き、非公開アカウントのチェックが外れているかを確認します。
もしチェックが入っている場合は、ここで外しておきます。これにより、誰でも自由に、自分の投稿を見に来られる状態になります。
外国人旅行者は、フォローする前に、まず投稿の内容をざっと眺めて、そのお店が自分の興味に合うかどうかを確かめることがよくあります。
非公開のままでは、その最初の入り口にすら立ってもらえません。公開アカウントにしておくことは、ビジネスアカウントへの切り替えの前提となる、大切な準備です。
②プロアカウントへの切り替えを始める
アカウントを公開の状態にしたら、次はいよいよ、ビジネスアカウントへの切り替えを始めていきます。
まず、自分のプロフィール画面を開きます。画面の右上にある、横に並んだ3本の線のマークをタップすると、メニューが表示されます。その中から「設定」を選び、次に「アカウント」という項目を選びます。
アカウントの設定画面の中に、「プロフェッショナルアカウントに切り替える」という項目があります。
ここをタップすることで、ビジネスアカウントへの切り替えが始まります。この段階では、まだ具体的な業種の選択などは行わず、画面の案内に沿って、次のステップへと進んでいくだけで構いません。
ここまでの作業は、難しい専門知識を必要とするものではありません。スマホの画面を、順番にタップしていくだけで進められる、シンプルな手続きです。焦らず、一つずつ画面の指示を確認しながら進めていきましょう。
③ビジネスかクリエイターか、自分の店に合う方を選ぶ
プロフェッショナルアカウントへの切り替えを進めていくと、途中で、「クリエイター」か「ビジネス」か、どちらかを選ぶ画面が表示されます。
この二つは、似ているようで、それぞれ想定している使い方が少し異なります。
クリエイターアカウントは、もともと、インフルエンサーや、個人で活動する作家、著名人など、個人としての活動を発信する人に向けて作られた仕組みです。
一方で、ビジネスアカウントは、お店や会社など、事業として発信を行う場合に向けて作られています。
飲食店や宿泊施設、観光施設など、事業として運営している場合には、基本的にビジネスアカウントを選ぶことをおすすめします。
ビジネスアカウントを選ぶことで、この後に設定する連絡先の登録や、商品を紹介するための機能など、事業者向けの機能を、より使いやすい形で活用できるようになります。
どちらを選んでも、後から切り替えることは可能です。しかし、最初から自分の目的に合った方を選んでおくことで、余計な手間を省き、スムーズに設定を進めることができます。
④カテゴリと連絡先を設定する
ビジネスアカウントを選んだら、次は、自分のお店がどんな業種にあたるのかを表す、カテゴリの設定に進みます。
画面には、飲食店、宿泊施設、観光名所など、さまざまな業種の候補が並んでいます。
この中から、自分のお店に一番近いものを選びます。カテゴリを設定しておくことで、プロフィール画面に、そのお店がどんな業種なのかが、一目でわかるように表示されるようになります。
外国人旅行者が、初めてそのアカウントを訪れた時、カテゴリの表示があるだけで、「どんなお店なのか」を、瞬時に理解してもらいやすくなります。
カテゴリを選び終えたら、次に、連絡先の情報を登録していきます。電話番号や、メールアドレス、お店の住所などを入力する項目が用意されています。
ここに正しい情報を入力しておくことで、プロフィール画面に、「連絡する」というボタンが表示されるようになります。
この連絡先の設定こそが、冒頭で紹介したカフェのオーナーが、これまで見逃していた部分でした。
素敵な写真をどれだけ投稿しても、興味を持ってくれた人が、すぐに連絡を取れる仕組みがなければ、その関心は、そのまま流れていってしまいます。
カテゴリと連絡先、この二つをきちんと設定しておくことが、発信を実際の来店につなげるための、大切な仕上げになります。
外国人旅行者に届く発信をするための下準備
ビジネスアカウントへの切り替えが終わったら、いよいよ、外国人旅行者に向けた発信の準備を整えていきます。ここで気をつけたい、いくつかの工夫を紹介します。
まず取り組みたいのが、プロフィール欄の説明文です。
多くのお店では、この部分を日本語だけで書いていますが、ここに英語での説明文を添えておくだけで、外国人旅行者にとっての伝わりやすさが、大きく変わってきます。
長い文章である必要はありません。「東京にある小さなカフェです」「地元の食材を使った料理を提供しています」といった、短くシンプルな一文で十分です。
プロフィールを訪れた旅行者が、パッと見ただけで、そのお店がどんな場所なのかを理解できるようにしておくことが大切です。
次に意識したいのが、ハッシュタグの使い方です。投稿につけるハッシュタグは、日本語だけでなく、英語のハッシュタグも一緒につけておくことで、海外のユーザーが検索した時に、投稿が見つかりやすくなります。
例えば、地名や、料理のジャンルを表す英語のハッシュタグを添えておくだけでも、これまで届いていなかった層に、投稿が届く可能性が広がっていきます。
さらに、投稿をする時には、位置情報を必ず設定しておきましょう。お店の場所をタグ付けしておくことで、その地域を検索している旅行者の目に、投稿が触れる機会が増えていきます。
旅行の計画を立てている段階の旅行者は、行き先の地名で検索をかけることがよくあります。その検索結果に、自分のお店の投稿が表示されるかどうかは、この位置情報の設定にかかっています。
こうした一つひとつの下準備は、地味に思えるかもしれません。しかし、この積み重ねこそが、これまで届かなかった外国人旅行者との出会いを、少しずつ広げていく力になります。
設定はゴールではなく、届けるための入り口です
ここまで、ビジネスアカウントへの切り替えから、外国人旅行者に届くための下準備まで、一つひとつ丁寧に見てきました。
しかし、忘れてはいけないことがあります。それは、これらの設定を終えたところで、まだ何も始まっていない、ということです。
ビジネスアカウントへの切り替えは、あくまでも入り口に過ぎません。
連絡先を登録したことで、興味を持ってくれた人が連絡しやすくなり、英語の説明文やハッシュタグを整えたことで、より多くの旅行者の目に触れる可能性が広がりました。
しかし、その先にある、実際の投稿を続けていくこと、そして、その投稿を通じて、お店の魅力を伝え続けていくこと、こそが、本当の勝負なのです。
冒頭で紹介したカフェのオーナーのように、これまで一生懸命に写真を撮り、投稿を続けてきた努力は、決して無駄ではありませんでした。
ただ、その努力を、正しく届けるための仕組みが、整っていなかっただけなのです。ビジネスアカウントへの切り替えと、下準備を終えた今、その努力は、これまでよりもずっと多くの人に、確実に届くようになります。
一つひとつの設定を、面倒に感じることもあるかもしれません。しかし、その先に待っているのは、これまで出会えていなかった、たくさんの外国人旅行者との、新しい出会いです。
今日整えた小さな準備が、これから先、あなたのお店を見つけてくれる、多くの人たちへの、確かな入り口になっていきます。


