スタッフが1〜2人の小さな飲食店がインバウンド対応で優先すべき3つのこと|人手が少ない店舗でも今すぐできる方法

夫婦二人だけで営む、小さな食堂がありました。ある日を境に、外国人のお客さんが少しずつ増え始めました。

うれしい反面、注文を聞き取れなかったり、メニューの説明ができなかったりして、てんてこ舞いの毎日が続くようになりました。

インバウンド対応という言葉を調べてみると、多言語メニュー、キャッシュレス決済、SNSでの発信など、やるべきことがいくつも出てきました。

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しかし、日々の営業だけで手一杯の二人には、そのすべてに手を回す余裕はありませんでした。

大きなお店であれば、専門の担当者を置いて、一つひとつ丁寧に進めることができるかもしれません。しかし、スタッフが1人か2人しかいない小さなお店では、同じやり方をそのまま真似することはできません。

人手が少ないお店だからこそ、まず何を優先すればいいのか。今すぐ始められる、3つのことを紹介していきます。

人手が少ないお店ほど「全部やろう」としなくていい

インバウンド対応について調べると、多言語メニューを作る、外国語ができるスタッフを雇う、SNSで発信する、キャッシュレス決済を導入する、口コミサイトに登録する、案内表示を増やす、といったように、次から次へとやるべきことが出てきます。

しかし、これらすべてを一度に整えようとすると、人手が少ないお店ほど、かえって何も進まなくなってしまいます。

時間をかけて多言語メニューを作っている間に、目の前のお客さんへの対応が後回しになってしまったり、疲れてしまって続かなくなったりすることもあります。

大切なのは、すべてを完璧にこなすことではありません。限られた時間と人手の中で、少ない労力で大きな効果が出るものから、順番に取り組んでいくという考え方です。

例えば、大きなホテルやレストランでは、専門のスタッフが多言語対応を一手に引き受けることができます。

しかし、1人か2人だけで営業しているお店では、そうした余裕はありません。だからこそ、まずは「これだけは押さえておきたい」という部分に絞り込み、そこから少しずつ広げていく進め方が向いています。

次の章では、人手が少ないお店が優先すべき3つのことを、具体的に紹介していきます。

優先すべき3つのこと

①メニューを外国語で見えるようにする

外国人のお客さんが、お店に入って最初に困るのが、メニューの内容がわからないことです。しかし、これは必ずしも、一から多言語のメニューを作らなければならないという意味ではありません。

まず簡単にできるのが、料理の写真をメニューに載せることです。文字が読めなくても、写真を見れば、どんな料理なのか、だいたいの見当がつきます。

スマホで撮った写真を印刷して、今使っているメニューに貼り付けるだけでも、十分な効果があります。

また、翻訳アプリを使う案内をしておくことも、手軽にできる工夫の一つです。

メニューの端に「カメラで写すと訳せます」といった一言を添えておくだけで、お客さんは自分のスマホを使って、料理名や説明を自分の国の言葉で確認することができます。

お店側が英語を話せなくても、お客さんが自分で調べられる環境を用意しておくことが、大きな助けになります。

さらに、辛さやアレルギーの有無など、特に伝えておきたい情報だけを、簡単な英語で書き添えておくのも良い方法です。

すべての説明を訳す必要はなく、お客さんが本当に知りたい部分だけに絞ることで、負担を減らしながら、必要な情報を伝えることができます。

②会計や注文の仕組みを簡単にする

言葉が通じないお客さんとのやり取りで、特に緊張してしまうのが、注文を受ける場面と、会計をする場面です。ここでも、大がかりな準備をしなくても、簡単な工夫で乗り切ることができます。

注文については、メニューを指差してもらうだけで注文が完了する仕組みにしておくと、言葉に頼らずにやり取りができます。

番号やアルファベットをメニューに振っておき、「このAの料理を1つ」というように、指と数字だけで伝え合えるようにしておくと、聞き取れなかったらどうしようという不安が減ります。

会計については、キャッシュレス決済を取り入れることも、負担を減らす工夫の一つです。

海外からの旅行者の中には、日本円の現金をあまり持ち歩かない人も多く、カードやスマホでの支払いができないと、それだけで来店をためらわれてしまうことがあります。

すでに使っているレジやアプリに、キャッシュレス決済の機能が備わっている場合は、まずはそれを使えるようにしておくだけでも、十分な対応になります。

大切なのは、難しい英会話を覚えることではありません。

指差しや数字、すでにある機械の機能など、今あるものを活かしながら、言葉に頼らなくても伝わる仕組みを整えることが、少ない人手でもできる、効果の大きい工夫です。

③Googleマップの情報を正しく整えておく

お店の中の工夫と同じくらい大切なのが、お客さんが来店する前に見る情報です。外国人旅行者の多くは、地図アプリに表示された情報を頼りに、行くお店を決めています。

まず整えておきたいのが、営業時間です。ランチとディナーの間に休憩を挟んでいる場合や、不定休がある場合は、その情報が正しく反映されているかを確認しておきます。

開いていると思って来店したのに閉まっていた、ということが続くと、お店の評判にも関わってしまいます。

次に、店内や料理の写真です。難しい説明文を用意しなくても、明るい場所で撮った、料理やお店の雰囲気が伝わる写真が数枚あるだけで、お客さんは安心してお店を選ぶことができます。

特別な機材は必要なく、スマホでの撮影で十分です。

そして、口コミへの返信です。忙しい中ですべての口コミに丁寧な返信をする必要はありません。

「ありがとうございます」という短い一言だけでも、お客さんの声にきちんと向き合っているという印象を伝えることができます。

こうした情報は、一度整えてしまえば、こまめに直す手間もそれほどかかりません。人手が少ないお店でも、無理なく続けられる対応です。

無理なく続けるための考え方

ここまで紹介してきた3つのことも、一度にすべてを完璧に整えようとする必要はありません。人手が少ないお店にとって一番大切なのは、無理をせず、長く続けられるやり方を見つけることです。

まずは、3つの中から、今のお店で一番困っている部分を一つ選んで、そこから始めてみることをおすすめします。

メニューが伝わらずに困っているなら、写真を貼ることから。会計でのやり取りに時間がかかっているなら、指差しで注文できる仕組みから。

地図アプリを見て来店するお客さんが多いなら、営業時間や写真の見直しから。一つに絞って取り組むだけでも、日々の負担は大きく減っていきます。

そして、一つのことができるようになったら、少し余裕が出てきたタイミングで、次のことに手を伸ばしてみます。

焦って全部を一気に進める必要はありません。小さな工夫を積み重ねていくことで、気づけば、お店全体のインバウンド対応が、自然と整っていきます。

忙しい毎日の中で、完璧を目指す必要はありません。今日から一つだけ、できることを選んで始めてみる。その積み重ねこそが、人手の少ないお店にとって、一番無理のない進め方です。

まとめ

スタッフが1人か2人しかいない小さなお店にとって、インバウンド対応は、決して手の届かないものではありません。

大きなお店と同じことをすべて行う必要はなく、優先すべきことを絞り込むだけで、無理なく対応を始めることができます。

メニューを外国語で見えるようにすること、会計や注文の仕組みを簡単にすること、Googleマップの情報を正しく整えておくこと。

この3つは、どれも特別な費用や時間をかけなくても、今日から始められる工夫です。

すべてを一度にやろうとせず、まずは一つ、今のお店に一番必要なことから始めてみてください。

小さな一歩の積み重ねが、忙しい毎日の中でも続けられる、確かなインバウンド対応につながっていきます。

この記事を書いた人

旅行、観光、IT・Webマーケティングの仕事に25年ほど携わってきた40代。現在はインバウンド対応に悩む店舗・宿泊施設の方々に向けて、実際に使えるツールや方法をまとめています。導入コストや使い勝手を含めて丁寧に検証することを心がけています。