世界遺産の番組がやっていました。番組では紹介できなかった部分を少し詳しく書いてみます。
エオリエ諸島(イタリア)

エオリエ諸島はどんな場所?
エオリエ諸島は、イタリアのシチリア島の北側の海に浮かぶ島々です。海の色がとてもきれいで、青く澄んだ地中海(ヨーロッパとアフリカの間にある海)の中に浮かんでいます。
この諸島(しょとう。たくさんの島が集まった場所という意味)は、7つの大きな島と、5つの小さな島でできています。大きな7つの島には、それぞれ違う名前と特徴があります。
「エオリエ」という名前には、面白い由来があります。昔のギリシャの神話(かみさまたちの物語)の中に、風の神様が出てきます。
その神様の名前が「アイオロス」で、イタリア語では「エオーロ」と呼ばれています。この神様が住んでいる場所という伝説から、「エオリエ諸島」という名前がついたと言われています。
島々は火山活動によって、長い年月をかけて作られました。今から26万年以上も前から、海の底で火山が噴火を繰り返し、そのマグマ(地面の下にある、とても熱い溶けた岩)が積み重なって、海の上に顔を出したのが、この島々なのです。
海の底から島の一番高いところまでの高さを測ると、4,500メートルを超える場所もあります。これは、海の上から見える島の高さよりも、ずっと大きな山が海の中に隠れているということです。
なぜ世界遺産に選ばれたの?
エオリエ諸島は、2000年にユネスコ(国際連合の中にある、世界の大切な自然や文化を守る組織)によって、世界自然遺産に選ばれました。
世界遺産に選ばれた一番の理由は、この島々が火山のことを研究するために、とても大切な場所だからです。
エオリエ諸島では、18世紀(今から300年くらい前)から、世界中の学者たちが火山の研究を続けてきました。
火山がどうやってできるのか、噴火はどんな仕組みで起きるのか、そういったことを調べるための、いわば「火山の教科書」のような場所なのです。
さらに、エオリエ諸島は、火山の噴火の仕方に名前をつけるときのお手本にもなりました。
一つは「ブルカノ式噴火」です。これは、諸島の中にある「ヴルカーノ島」という島の名前からつけられました。
マグマや溶岩(マグマが地表に出てきたもの)が勢いよく噴き出す噴火の仕方のことを、こう呼びます。
もう一つは「ストロンボリ式噴火」です。こちらは「ストロンボリ島」という島の名前からつけられました。小さな噴火を、ほぼ決まった間隔で何度も繰り返す噴火の仕方のことを、こう呼びます。
このように、エオリエ諸島は今から200年以上も前から、火山を学ぶ人たちにとって、なくてはならない場所であり続けてきました。だからこそ、世界遺産として、これからもずっと守っていくべき場所だと認められたのです。
それぞれの島の特徴
リーパリ島(諸島の中で一番大きい島)
リーパリ島は、エオリエ諸島の中で一番大きな島です。島の中には港や町があり、多くの人がここに住んでいます。
この島には、今から紀元前4千年ごろ(今から6千年くらい前)から人が住んでいたと考えられています。
昔は、黒曜石(こくようせき。黒くてガラスのように光る、火山からできる石)や、軽石(かるいし。火山からできる、軽くてざらざらした石)を、他の地域と取り引きして栄えていました。
島の高台には、昔の人が住んでいた跡や、大聖堂(キリスト教の大きな教会)、そしてエオリエ諸島の火山や人の歴史を知ることができる博物館があります。
宿泊施設やレストランも多く、船の便も充実しているため、エオリエ諸島を旅行するときの拠点(きょてん。中心となる場所)になっている島です。
ヴルカーノ島(名前の由来にもなった、硫黄の匂いがする島)
ヴルカーノ島は、エオリエ諸島の中で3番目に大きい島です。「ヴルカーノ」という言葉は、イタリア語で「火山」という意味です。
前の章で紹介した「ブルカノ式噴火」という言葉も、この島の名前からつけられました。
島には4つの火山があり、歴史の中で何度も噴火を繰り返してきました。ただし、1890年ごろからは大きな噴火は起きておらず、今は落ち着いた状態が続いています。
この島に降り立つと、まず硫黄(いおう)の匂いに気づく人が多いようです。この匂いは、温泉が近くにある証拠でもあります。
ヴルカーノ島では、海水を使った温泉や、泥(どろ)を使った温泉が有名で、火山がつくり出す自然を体で感じられる場所として、多くの人に親しまれています。
ストロンボリ島(今も噴火を続けている、「地中海の灯台」と呼ばれる島)
ストロンボリ島は、今もほぼ休むことなく噴火を続けている、活発な火山の島です。
前の章で紹介した「ストロンボリ式噴火」という言葉も、この島の名前からつけられています。
小さな噴火を規則正しく繰り返す様子が、まるで灯台(とうだい。船に光で場所を知らせる建物)の光のように見えることから、「地中海の灯台」という別名で呼ばれています。
この噴火の様子を船から眺めるクルーズも人気があり、世界中から多くの観光客が訪れています。火山の力強さと美しさを、間近で感じられる島です。
サリーナ島(緑が多く、映画のロケ地にもなった島)
サリーナ島は、エオリエ諸島の中で2番目に大きい島です。他の火山らしい島とは違い、野生の草花や森林など、緑豊かな自然の景色が広がっているのが特徴です。
島の一番高いところは、標高962メートルの「フォッサ・デッレ・フェルチ山」です。エオリエ諸島の中では、この山が一番高い場所になります。
また、サリーナ島は、イタリア映画「イル・ポスティーノ」の撮影地としても知られています。断崖絶壁(だんがいぜっぺき。切り立った高い崖)と、コバルトブルーの美しい海の景色は、多くの人を惹きつけています。
エオリエ諸島への行き方
エオリエ諸島へ行くには、まずシチリア島を目指します。シチリア島にある港から、高速船やフェリー(車も乗せられる大きな船)に乗って、エオリエ諸島へ渡るのが一般的な行き方です。
出発地としてよく使われるのが、ミラッツォ港とパレルモ港です。
ミラッツォ港は、エオリエ諸島に一番近い港で、船の便数も多くなっています。エオリエ諸島へ行く多くの人が、このミラッツォ港を利用しています。
パレルモ港は、シチリア島の中心的な町にある港です。ミラッツォ港よりも距離はありますが、パレルモから直接エオリエ諸島へ向かう船も出ています。
船を運航している会社は複数あり、会社によって出発する港や、時間の予定が違います。エオリエ諸島へ旅行するときは、事前にどの会社のどの船に乗るかを、確認しておくとよいでしょう。
レビジャヒヘド諸島(メキシコ)

レビジャヒヘド諸島はどんな場所?
レビジャヒヘド諸島は、メキシコの太平洋の海に浮かぶ島々です。メキシコの本土から、遠く離れた場所にあります。
バハカリフォルニア半島(メキシコの西側にある、細長い形をした陸地)の南のはしから、386キロメートルほど離れた海の上にあります。
この諸島(しょとう。たくさんの島が集まった場所という意味)は、サン・ベネディクト島、ソコロ島、ロカ・パルティダ島、クラリオン島という、4つの島でできています。
これらの島は、もともと海の底にある火山の山の頂上にあたる部分です。
火山活動によって山ができ、その一番高い部分が海の上に出てきたものが、今の島の姿なのです。島の周りの海は、とても深いところで水深3,700メートルにもなります。
本土からとても離れていて、人がほとんど住んでいないため、自然がそのままの姿で残されている場所です。
なぜ世界遺産に選ばれたの?
レビジャヒヘド諸島は、2016年にユネスコ(世界の大切な自然や文化を守る、国際連合の中の組織)によって、世界自然遺産に選ばれました。
選ばれた大きな理由の一つは、この島々や周りの海に、ここにしかいない生き物や、数が少なくなって絶滅が心配されている生き物が、たくさん暮らしているからです。
この豊かな自然のようすから、レビジャヒヘド諸島は「メキシコのガラパゴス」と呼ばれることがあります。
ガラパゴス諸島とは、南アメリカの近くにある、珍しい生き物がたくさんいることで有名な島々のことです。それと同じくらい貴重な場所だと考えられているのです。
また、レビジャヒヘド諸島の周りの海は、北から来る海の流れと、南から来る海の流れがぶつかる場所にあります。
二つの流れがぶつかることで、海の中の栄養が豊かになり、サメやクジラ、マンタなど、大きな海の生き物たちが集まってくる海になっています。
島や海の生き物たち
レビジャヒヘド諸島の周りの海には、ザトウクジラという大きなクジラが、多いときには2,000頭も集まってくると言われています。
また、マンタと呼ばれる、大きなヒレを持つ魚の仲間や、ハンマーヘッドシャーク(頭の形がハンマーのように横に広がっているサメ)、ジンベイザメ(魚の中で一番大きいと言われるサメ)なども、この海で見ることができます。
海の生き物だけでなく、島には海鳥もたくさん集まってきます。オオセグロミズナギドリという、世界でも数が少ない海鳥が、卵を産んで子育てをする場所としても知られています。
4つの島の中で、唯一人が住んでいるのがソコロ島です。この島には、メキシコの海軍の基地があり、およそ200人がここで生活をしています。それ以外の島には、人はほとんど住んでいません。
トゥバタハ岩礁自然公園(フィリピン)

トゥバタハ岩礁自然公園はどんな場所?
トゥバタハ岩礁自然公園は、フィリピンの海に浮かぶ、自然の宝庫です。フィリピンのパラワン州にある、スールー海の真ん中あたりに位置しています。
この公園は、北環礁と南環礁という、2つの大きな岩礁を中心にできています。岩礁とは、海の中でサンゴや岩が積み重なってできた、浅い場所のことです。
この2つの岩礁のほかに、ジェシー・ビーズリー岩礁という、もう一つの岩礁も含まれています。
公園の広さは、およそ10万ヘクタールにもなります。これは、東京都の面積の半分ほどにあたる広さです。それだけ広い海の中に、たくさんの自然が守られているのです。
岩礁の周りには、水深100メートルを超える、切り立った崖のような地形もあります。海の中に、まるで壁のように岩が垂直に立っているのです。
この地形は「ドロップオフ」と呼ばれ、ダイバーたちに人気の見どころになっています。
なぜ世界遺産に選ばれたの?
トゥバタハ岩礁自然公園は、1993年にユネスコによって、世界自然遺産に登録されました。ユネスコとは、世界の大切な自然や文化を守るための、国際連合の中にある組織です。
選ばれた理由の一つは、ここに東南アジアでも最大級と言われる、サンゴ礁が広がっていることです。
サンゴ礁とは、小さな生き物であるサンゴが、たくさん集まってできた地形のことです。この公園には、手つかずのまま残されたサンゴ礁の、すばらしいお手本のような場所が広がっています。
もう一つの理由は、ここに珍しい生き物や、数が少なくなっていて心配されている生き物が、たくさん集まっていることです。
人があまり訪れない、遠く離れた海だからこそ、自然がそのままの姿で守られてきたのです。
どんな生き物がいるの?
トゥバタハ岩礁自然公園の海には、600種類以上の魚と、360種類以上のサンゴが生息していると言われています。
これほど多くの種類が、一つの場所に集まっているのは、とても珍しいことです。
海の中では、ウミガメやジンベエザメに出会えることもあります。ジンベエザメは、魚の中で一番大きいと言われるサメです。
そのほかにも、マンタと呼ばれる、大きなヒレを持つ魚の仲間や、何種類ものサメ、イルカやクジラなども、この海で見ることができます。
海の中だけでなく、岩礁の上は海鳥にとっても大切な場所です。カツオドリという鳥をはじめ、たくさんの海鳥が、ここで卵を産み、子育てをしています。ウミガメが卵を産みに来る場所としても知られています。
このように豊かな自然が広がっているため、トゥバタハ岩礁自然公園は、世界中のダイバーから「ダイビングの聖地」と呼ばれ、あこがれの場所になっています。
ヴァトナヨークトル国立公園(アイスランド)

ヴァトナヨークトル国立公園はどんな場所?
ヴァトナヨークトル国立公園は、アイスランドの南東部にある、とても広い国立公園です。
その広さは、アイスランドという国全体の面積の、なんと14%を占めています。ヨーロッパにある国立公園の中でも、2番目に広い場所です。
もともとは2つの国立公園がありましたが、2008年に一つにまとまって、今のヴァトナヨークトル国立公園になりました。
この公園の名前は、「ヴァトナヨークトル氷河」という氷河からつけられています。この氷河は、ヨーロッパでも最大級の大きさを誇る氷河です。
氷の厚さは、場所によって400メートルから1,000メートルにもなります。分厚い氷の下には、実は火山が隠れているのです。
なぜ世界遺産に選ばれたの?
ヴァトナヨークトル国立公園は、2019年にユネスコによって、世界自然遺産に登録されました。この世界遺産には、「火と氷の絶えず変化する自然」という名前がつけられています。
選ばれた大きな理由は、氷河と火山という、本来は正反対に思える二つの自然の力が、同じ場所で影響し合っているからです。
公園の中には、10もの火山があります。そのうち8つの火山は、分厚い氷河の下に隠れています。
地球の中から出てくる熱いマグマと、その上に乗っている冷たい氷が、同じ場所でぶつかり合っているのです。このような場所は、世界を見渡してもとても珍しいと言われています。
アイスランドという国自体が、火山の力によってできた島です。地球の表面をおおう、プレートと呼ばれる巨大な岩の板が、アイスランドの地下でちょうど引き裂かれるように動いています。
そのため、アイスランドでは火山活動がとても活発なのです。
火と氷が作り出す不思議な景色
氷の下に火山が隠れていると、どのようなことが起きるのでしょうか。
氷河の下の火山が噴火すると、その熱によって、上に乗っている氷が一気に溶け出します。
溶けた氷は大量の水となり、洪水のように勢いよく流れ出します。この現象は、氷河が生み出す洪水として、世界的にもよく知られています。
冬になると、氷河の中に「アイスケーブ」と呼ばれる、氷でできた洞窟が現れることがあります。
洞窟の中は、澄んだ青色の光でいっぱいになり、まるで別の世界に迷い込んだような、幻想的な景色が広がります。
また、氷河から溶け出した水が集まってできる、氷河湖と呼ばれる湖もあります。湖の水面には、氷河から崩れ落ちた大きな氷のかたまりが、いくつも浮かんでいます。
この湖では、水陸両用車という、水の上も陸の上も走れる乗り物に乗って、氷のかたまりの間をめぐるクルーズを楽しむこともできます。
ヴァトナヨークトル国立公園は、火山と氷河という、地球の力強さを感じられる、貴重な世界遺産です。
テイデ国立公園(スペイン)

テイデ国立公園はどんな場所?
テイデ国立公園は、スペインの南西、大西洋に浮かぶカナリア諸島の中にあります。この諸島の中で一番大きな島、テネリフェ島に、テイデ国立公園は広がっています。
公園の中心にあるのが、テイデ山です。テイデ山の高さは3,718メートルで、これはスペインの中で一番高い山にあたります。
テイデ山のすごさは、これだけではありません。山は海の底から始まっていて、海の底から山の頂上までの高さを測ると、なんと7,500メートルにもなります。
これは、世界のいろいろな火山の中でも、3番目に高い火山だと言われています。
テイデ山は1798年に噴火して以来、大きな噴火は起きていません。今は落ち着いた状態が続いていますが、今でも硫黄が出てくる場所があり、火山の力は今も生きています。
なぜ世界遺産に選ばれたの?
テイデ国立公園は、2007年にユネスコによって、世界自然遺産に登録されました。
選ばれた理由の一つは、火山がどのようにできて、どのように育っていくのかを知るために、とても大切な場所だからです。
テイデ山には、クレーターや、噴火によって積み重なってできた山の形など、いろいろな火山の地形が見られます。
これらを調べることで、地球の歴史や、海の中でできる火山のしくみを知る手がかりになるのです。
もう一つの理由は、その美しい景色です。テイデ山の周りでは、噴石や溶岩でできた山の色が場所によって違い、まるで絵のような景色が広がっています。
また、山の下に雲が広がる「雲海」という現象もよく見られ、幻想的な風景を作り出しています。
珍しい植物とテイデ天文台
テネリフェ島は、周りを海に囲まれた島で、日差しが強く、湿度も低い、乾燥した環境です。標高が2,000メートルを超える場所では、冬になると気温が0度を下回ることもあります。
このような厳しい環境の中で、この島にしかいない植物が育っています。中でも有名なのが、「エキウム・ウィルドプレッティ」という植物です。
赤い小さな花が、らせん状に連なって咲き、大きなものでは高さが3メートル近くにもなります。テイデ山を代表する植物として知られています。
そして、テイデ山の頂上付近には、テイデ天文台があります。ここは世界でも有名な観測地の一つで、スペインだけでなく、イギリスやフランスなど、いくつもの国の望遠鏡が集まっています。
空気が澄んでいて星がよく見えることから、太陽や星の観測にとても適した場所とされています。
リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観(スペイン)

どんな場所?
リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観は、スペインのカナリア諸島にあります。
この諸島の中の一つ、グラン・カナリア島の中心部に広がる山岳地帯が、この場所です。
このあたりは、崖や谷が入り組んだ、険しい地形をしています。もともとは火山活動によってできた土地で、生き物の種類も豊富な、自然豊かな場所です。
この山岳地帯には、大昔の人々が住んでいた洞窟の跡が、たくさん残っています。
洞窟だけでなく、穀物をしまっておく倉庫や、水をためておく貯水池の跡も見つかっています。これらが集まって、一つの大きな文化的景観を作り出しているのです。
なぜ世界遺産に選ばれたの?
この場所は、2019年にユネスコによって、世界文化遺産に登録されました。
選ばれた大きな理由は、ここで暮らしていた人々が、他の場所とほとんど関わることなく、1,500年以上もの長い時間をかけて、独自の文化を育ててきたからです。
この文化を作ったのは、北アフリカからやってきたベルベル人という人々だと考えられています。
紀元前後にこの島にたどり着いた彼らは、15世紀にスペイン人がこの島にやってくるまで、外の世界からほとんど孤立した環境の中で暮らし続けました。
そのため、他では見ることのできない、独自の文化が生まれたのです。
山岳地帯には、儀式や祈りのために使われていたと考えられる洞窟や、岩山も残されています。
中でも、リスコ・カイドという洞窟と、ロケ・ベンタイガという岩山は、この文化にとって特に大切な、聖なる場所だったと考えられています。
リスコ・カイドの洞窟と星の関係
数ある洞窟の中でも、特に注目されているのが、リスコ・カイドという名前の洞窟です。
この洞窟の天井には、小さな光の入り口が作られています。夏至から秋にかけての時期になると、この入り口から光が差し込み、洞窟の中に描かれた岩絵を照らし出すようなしくみになっているのです。
このしくみから、この洞窟は、太陽や月、星の動きを知るために作られたのではないかと考えられています。
夜になると星がとても美しく見えるこの場所は、星や大地を大切なものとしてあがめる、信仰と関係があったとも考えられています。
大昔の人々が、限られた道具しかない中で、太陽の動きに合わせてこれほど正確なしくみを作り上げたことは、とても驚くべきことです。


