旅行会社の仕事を種類ごとに比較自分に向いている仕事はどれか考える

旅行会社にはどんな仕事があるのか種類ごとにやさしく紹介

「弁当300個をどうにかしてくれないか」ある添乗員は、修学旅行の朝に食事の手配が一件だけ抜けていたことに気づき、大慌てで代わりの手段を探し回ったといいます。

冷や汗をかきながら関係先に頭を下げて回ったこの体験は、旅行会社の仕事が、細かい確認の積み重ねでできていることを教えてくれます。

旅行会社の仕事は、お店でお客さんの相談に乗る仕事だけではありません。

企業を相手にする営業、旅行のプランを考える仕事、電話で旅行を売る仕事、添乗する仕事まで、実はとても幅広い種類に分かれています。

種類が多い分、同じ「旅行会社の仕事」といっても、内容も大変さもまったく違います。

営業の仕事一つをとっても、会社によって求められる目標の重さは大きく変わります。無理のない目標を掲げる会社もあれば、達成できる人がほんの一部しかいないような厳しい目標を課す会社もあるといいます。

さらに、旅行会社という仕事そのものが置かれている状況も簡単ではありません。以前は旅行会社を通したほうが安く旅行できることが多くありましたが、最近ではその強みが薄れ、自分で手配したほうが安くなる場面も増えてきています。

旅行会社の仕事には、種類の多さと、それぞれに違う厳しさがあります。

お客さんと直接話すカウンターの仕事

旅行会社と聞いて、多くの人が思い浮かべるのが、お店の窓口で働くカウンターの仕事です。お客さんがお店に来ると、まずどんな旅行をしたいのかをじっくり聞き取ります。

行きたい場所、一緒に行く人数、使えるお金、旅行の日にちなど、聞くことはたくさんあります。

聞き取った内容をもとに、いくつかの旅行プランを提案します。パンフレットを見せながら、それぞれのプランの良いところを説明し、お客さんが一番納得できる旅行を一緒に選んでいきます。

予約が決まったら、飛行機やホテルの手続きを進め、必要な書類をそろえます。

この仕事で大切なのは、お客さんの話をよく聞く力です。同じ「家族旅行」でも、小さな子どもがいる家族と、大人だけの家族では、選ぶべきプランがまったく違います。

お客さんが本当に望んでいることを聞き取れるかどうかで、満足してもらえるかどうかが変わってきます。

一方で、この仕事には数字の目標が課されることもあります。どれくらいの旅行を売り上げるかという目標です。

この目標の厳しさは、会社によって差があります。無理のない目標を立てる会社もあれば、達成できる人がほんの一部しかいないような、厳しい目標を課す会社もあります。

また、予約の手続きでは、小さな確認漏れが大きなトラブルにつながることもあります。飛行機の時刻や、ホテルの部屋数など、一つひとつを正確に確認する丁寧さが求められる仕事です。

旅行のプランを考える企画の仕事

旅行会社の中には、実際に売られる旅行プランそのものを考える、企画の仕事もあります。

この仕事は「ツアープランナー」や「商品企画」と呼ばれることが多く、どんな行き先で、どんな日程で、どんな宿泊先を組み合わせるかを一から考えていきます。

企画の仕事では、まず世の中でどんな旅行が求められているかを調べることから始まります。人気の観光地はどこか、どんな季節にどんな旅行をしたい人が多いか、といった情報を集めます。

そのうえで、見学する場所の順番や、移動にかかる時間、宿泊先やレストランなどを一つひとつ組み合わせて、一つの旅行プランを作り上げていきます。

このとき大切なのが、多くの人に「行ってみたい」と思ってもらえるアイデアを出す力です。

同じ観光地を巡るプランでも、見せ方や組み合わせ方によって、魅力の伝わり方はまったく変わってきます。他の会社にはない工夫を考え出すことが、この仕事のやりがいでもあります。

一方で、企画の仕事には難しさもあります。以前は旅行会社を通したほうが安く旅行できることが多くありましたが、最近ではその強みが薄れつつあります。

自分で航空券やホテルを手配したほうが安くなる場面も増えてきているため、旅行会社ならではの魅力があるプランを考えることが、これまで以上に求められるようになっています。

考えたプランは、実際に売り出す前に、価格や日程が現実的かどうかを何度も見直します。多くの人に喜んでもらえる旅行を形にするため、地道な調整を重ねる仕事でもあるのです。

ホテルや飛行機の手配をする仕事

旅行会社の裏側には、お客さんが実際に旅行するために必要な、ホテルの部屋や飛行機の座席などを手配する仕事があります。

この仕事は、お客さんと直接顔を合わせることは少ないものの、旅行を実現させるためには欠かせない役割です。

手配の仕事では、カウンターや企画の担当者から依頼を受けて、宿泊先やレストラン、交通機関などに連絡を取り、予約を確定させていきます。

人数や日程、部屋のタイプ、食事の内容など、細かい条件を一つひとつ確認しながら進めていきます。

この仕事で何よりも大切なのは、正確さです。ある添乗員の体験談では、修学旅行の朝になって、船の中での食事の手配が一件だけ抜けていたことに気づき、大慌てで代わりの手段を探し回ったという出来事がありました。

冷や汗をかきながら関係先に頭を下げて回ったというこの話は、手配の仕事における小さな確認漏れが、当日どれほど大きな混乱につながるかを教えてくれます。

団体旅行になればなるほど、確認しなければならない項目は増えていきます。人数分の食事、部屋割り、バスの台数など、一つでも見落としがあれば、現地でお客さんや添乗員に迷惑をかけてしまいます。

そのため、手配の仕事では、見積書や依頼内容を何度も見直す丁寧さが求められます。

華やかに見える旅行の裏側で、こうした地道な確認作業を積み重ねている人たちがいるからこそ、お客さんは安心して旅行を楽しむことができるのです。

団体のお客さんを担当する法人営業の仕事

旅行会社の仕事の中には、一人ひとりのお客さんではなく、学校や会社といった団体を相手にする仕事もあります。

これは「法人営業」や「アウトセールス」と呼ばれる仕事で、修学旅行や社員旅行、研修旅行などを担当します。

この仕事では、学校の先生や会社の担当者と直接やり取りをしながら、旅行の内容を決めていきます。

何人で行くのか、どんな目的の旅行なのか、予算はどれくらいかといったことを聞き取り、それに合わせたプランを提案します。

個人のお客さんを相手にするカウンターの仕事とは違い、一つの契約が何百人分もの旅行につながることもあるため、規模の大きさが特徴です。

この仕事の難しさは、相手が学校や会社という、慎重に物事を進める組織であることです。新しい提案や、これまでにないやり方は、なかなか受け入れてもらえないこともあります。

前例のあるやり方を好む相手と、粘り強く話し合いを重ねていく力が求められます。

また、団体旅行は人数が多い分、手配の一つひとつが大きな影響を持ちます。食事や部屋割り、移動手段など、細かい確認を怠ると、当日大勢のお客さんに迷惑をかけてしまうことになります。

学校行事のように、日程を変更できない旅行では、特に慎重な準備が欠かせません。大きな契約を任される責任の重さと、団体だからこそのやりがいが、この仕事には共存しています。

旅行先に同行する添乗員の仕事

旅行会社の仕事の中で、最もお客さんと近い距離で働くのが、添乗員の仕事です。旅行の出発から帰着まで、お客さんと一緒に行動し、案内やお世話をします。

添乗員は、旅行会社の社員がそのまま担当するとは限りません。多くの場合、添乗員を専門に育てる別の会社に所属し、旅行会社からの依頼に応じて派遣される形で働いています。

旅行会社に就職したからといって、必ず添乗の仕事ができるとは限らないという点は、意外と知られていません。

添乗員の仕事は、観光地の案内だけではありません。

集合時間の管理、人数の確認、体調が悪いお客さんへの対応、予定変更が起きたときの判断など、旅行中に起こるさまざまなことに、その場で対応する力が求められます。

この仕事の大変さがよくわかる出来事があります。修学旅行の朝、船の中での食事の手配が一件だけ抜けていたことに、当日になって気づいた添乗員がいました。

冷や汗をかきながら、その場で代わりの食事を探し回り、なんとか生徒たちに朝食を届けたといいます。

旅行会社が用意した計画通りに進まないことが起きたとき、その場で最善の方法を考えて動くのが、添乗員という仕事なのです。

華やかに見える旅行への同行も、実際には細かい確認と、とっさの判断の連続でできています。お客さんが「楽しかった」と思える旅行の裏側には、添乗員のこうした地道な働きがあります。

それぞれの仕事に共通する大変さとやりがい

カウンター、企画、手配、法人営業、添乗員と、旅行会社にはさまざまな種類の仕事があります。担当する内容はそれぞれ違っていても、共通していることがいくつかあります。

一つは、旅行代金の一部を会社の利益とする仕組みで成り立っているということです。この仕組みのため、旅行会社の仕事は、他の業種に比べて収入面で大きな余裕を持ちにくいという現実があります。

以前は旅行会社を通したほうが安く旅行できることが多くありましたが、最近ではその強みが薄れ、自分で手配したほうが安くなる場面も増えてきています。

旅行会社としての強みをどう出していくかが、どの仕事にも共通する課題になっています。

もう一つ共通しているのが、細かい確認作業の大切さです。

カウンターでの予約、企画でのプラン作り、手配での連絡、団体旅行の準備、添乗中の対応。どの仕事も、小さな見落としが大きなトラブルにつながる可能性を抱えています。だからこそ、丁寧さと責任感が欠かせません。

その一方で、旅行会社の仕事には、他の仕事にはない喜びもあります。

お客さんが旅行から帰ってきて「楽しかった」「また頼みたい」と言ってくれたとき、それまでの細かい作業の積み重ねが報われる瞬間になります。目に見える形で人を喜ばせられることは、この仕事の大きな魅力です。

大変さとやりがいの両方があるからこそ、旅行会社の仕事は、長く続けている人が多い仕事でもあるのです。

自分に合う仕事を見つけよう

「弁当300個をどうにかしてくれないか」。冒頭で紹介したこの出来事は、旅行会社の仕事が、細かい確認の積み重ねと、とっさの判断でできていることを教えてくれました。

カウンター、企画、手配、法人営業、添乗員。仕事の種類は違っても、小さな見落としが大きなトラブルにつながるという緊張感は、どの仕事にも共通しています。

営業の目標一つをとっても、無理のない目標を掲げる会社もあれば、達成できる人がほんの一部しかいないような厳しい目標を課す会社もあります。

同じ「旅行会社の仕事」という言葉でくくられていても、実際の働きやすさは、会社や部署によって大きく変わってくるのです。

さらに、旅行会社という仕事そのものを取り巻く状況も、決して楽ではありません。

以前は旅行会社を通したほうが安く旅行できることが多くありましたが、その強みは薄れつつあり、自分で手配したほうが安くなる場面も増えています。

旅行会社ならではの価値をどう出していくかは、どの職種にとっても避けて通れない課題です。

それでも、お客さんの「楽しかった」という一言に支えられて、多くの人がこの仕事を続けています。

人と話すことが好きな人、アイデアを考えることが得意な人、細かい確認作業を丁寧にこなせる人、旅先で臨機応変に動くことが好きな人。

旅行会社という一つの会社の中に、これだけ多くの種類の仕事があることを知っておくと、自分にはどの仕事が合いそうか、具体的にイメージしやすくなるはずです。

この記事を書いた人

旅行、観光、IT・Webマーケティングの仕事に25年ほど携わってきた40代。現在はインバウンド対応に悩む店舗・宿泊施設の方々に向けて、実際に使えるツールや方法をまとめています。導入コストや使い勝手を含めて丁寧に検証することを心がけています。